近年になって復元された愛媛県にある大洲城(おおずじょう)。全国的にはあまり知られていませんが、実は見どころいっぱいの知る人ぞ知るお城です。
愛媛県大洲市、伊予大洲駅から車で5分程のところに位置する大洲城。別名で地蔵ヶ嶽(じぞうがだけ)城、亀城ともいわれています。大洲城のはじまりは約400年前といわれ、元和3年(1617年)に加藤貞泰が入城、その後明治維新まで加藤家の居城だったそうです。明治時代に入ると、18棟の櫓、天守閣が取り壊されましたが、平成16年(2004)に4層4階の天守が復元されました。
この天守の注目すべきところは、伝統の技術によって忠実に復元されたということ。明治期の古写真や発掘調査などの資料をもとに、すべて国産の木材で造られています。さらに梁と床材には、希少な350年クラスの木曽檜が使われています。戦後の建築基準法施行以降、最大の木造復元天守なんだとか。
復元された天守のほか、城内には崩壊を免れた国指定重要文化財の4棟の櫓も見どころ。なかでも台所櫓は、現存する4棟のうち最も大きな建物で、台所の機能を備えた珍しい櫓。龍城時には、城兵のための台所として使用されたそうです。そのため、1階の3分の1は土間になっていて、煙突用の格子窓も設けられています。
大洲城は、なかなかテレビなどの映像では見ることができないので、実際に足を運んでじっくり見たい名城のひとつですね。